昔から,鏡餅干し柿,干し芋などは,お正月には欠かせない物となっている.
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普段,店頭に並ばない干し柿,干し芋も,年末になるとスーパーマーケットや八百屋などに並ぶようになる. 生のは,ミカンやリンゴ,ナシなどにおされ,あまり人気がない. だが,生のは苦手だが,干し柿は平気だという人も多い.
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にはビタミンC が豊富だが,干し柿にするとビタミンCは無くなってしまう. その代わりに,ビタミンA が生の干し柿と比較して2倍になる.
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干し柿は,西日本と東日本とでは扱いが異なる. 西日本では,鏡餅の上に,串柿という串に刺した10個の柿を飾るのだ. 鏡開きが終わると,干し柿が子どものおやつになる.
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また,東日本や西日本とでは,作り方も異なる. 東日本では,柿のヘタにヒモを結んで縦に吊るす. なので,干し柿つるし柿ともいう.
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一方西日本(特に広島)では,10個のに横に平たい棒を刺したものを上からぶら下げる. ぶら下げるようすが,すだれのれんのように見えるため,柿すだれ柿のれんともいう. 特に,広島県央部にある御調町は串柿の産地として有名だ.
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串柿は,の身が熟さない11月頃からつくりはじめる. 皮をむいたを,ひと串に2個,6個,2個に分けて刺す. これには,「夫婦ニコニコ(2個2個)仲(中)むつ(6個)まじく」と言う意味をこめている. 20日から30日ほど置いた後、乾燥,加工して出荷される. 乾燥によって,表面には白い粉が出てくる. 白い粉は,果肉の糖液が表面にしみ出て乾いた果糖とブドウ糖だ. 砂糖が手に入りにくい江戸時代には,この白い粉を集め和菓子などに使っていた.
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には,大きく分類すると渋柿甘柿があるが,干し柿にできるのは渋柿だけでだ. 渋柿だけなのは,甘柿よりもより甘いからだが,渋柿にはタンニンが含まれるため,そのままでは食べられない. だが,干し柿にすることによってタンニンが不溶化され渋さがなくなる.
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そもそも,渋柿は日本古来からあったが,甘柿(富有柿など)が栽培されるようになったのは江戸時代以降だ. 干し柿は,貯蔵が可能だったのと,冷害でもだけは豊かに実ることが多く,非常食として多くの農民の命を救った.
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ではなぜ,お正月に飾ったり食べたりするのだろうか. 要は縁起ものなのだ. 天皇家が,三種の神器として(生活の保障)と(精神文化)と(道義の一貫)を示し,それぞれ(ダイダイ)と鏡餅串柿に対応している.
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