トヨタのハイブリッド車プリウスがバカ売れだ. 2009年5月18日(月)に発売されたばかりの3代目プリウスは,販売から1カ月で18万台の驚異的な受注となった. 現在,すでに約30万台近い受注を抱えている.

今プリウスを注文しても,納車はなんと2010年4月以降になってしまう. すぐに増産すればよいようにも思えるが,ハイブリッド車は,高性能な電池などの特殊なの部品が多いため,簡単に製造ラインを増やすことができない.

プリウスの人気は,燃費性能の良さもあるが,2009年4月1日から施行された環境対応車普及促進税制による,自動車重量税と自動車取得税の減税(通称,エコ減税)と,2009年6月19日から始まったエコカー補助金(4月10日までさかのぼって適用)の後押しがあるからだ.

いずれも,ハイブリッド車などのエコカーに有利な制度となっていて,ハイブリッド車の場合,全額免税(100%)となるため,通常よりも40万円以上も安く購入できる. ライバルであるホンダも,ハイブリッド車のインサイトの販売が絶好調だ.

ただし,エコカー補助金の予算は2700億円のみだ. 今回,政権が変わったこともあり,制度の延長は難しいだろう. この予算を使い切れば終了となる. 今の販売数で進めば,2010年3月末を待たずに使い切ってしまいそうだ. 車のディラーの営業(セールストークかもしれないが)によれば,『2009年12月末には切れてしまうだろう』と言っている. 結果,対象となるハイブリッド車を購入しても,エコカー補助金を受け取れない可能性もある.

エコカー補助金を受けるには条件がある. 購入後13年以上経過した車を買え換える場合と,エコカー(低燃費車)を新車で購入する場合だ. 13年以上経過した車は,制度の考え方から,廃車にする(廃車証明書が必要)ことが前提となる. 13年以上経過した普通車で25万円,13年以上経過した軽自動車で12万5000円の購入補助が受けられる. 単純にエコカーに買い替える場合であれば,普通車が10万円,軽自動車が5万円の購入補助となる.

一方,エコカー減税(今のところ2012年3月31日まで)にも条件がある. エコ度合い(地球に優しい度合い)によって車種別に減税率が異なるのだ. 100%減税適用車は,トヨタがプリウス,エステマハイブリット,クラウンハイブリット,ハリアーハウブリットと車種も多い. ホンダがインサイト,シビックハイブリット. 日産がエクストレイエルクリーンディーゼルのみだ. 他の,三菱,ダイハツ,スバル,マツダ,スズキに関しては,100%適用の一般車は持っていない. そのため,『トヨタだけに有利な制度で,利益供与と批判されてもおかしくはない税制だ』という批判もある.

そんな,レアな存在となったプリウスだが,即手に入る即売会がららぽーとTOKYO-BAY第10駐車場特設会場で,シルバーウィークの2009年9月19日(土)-9月23日(水)に開催された. 　

中古車買取専門のガリバーが主催したもので,1代目プリウスから3代目プリウス(40台)までのハイブリッド中古車が約250台運び込まれた. これだけのプリウスを集められるのは,ガリバーだけかもしれない. 1代目プリウスで90万円程度,3代目プリウスで300万円程度となっている. 3代目プリウスにおいては,走行距離 1Km にも満たない車もある. だが,エコカー減税と補助金も,中古車には適用できない. 新車だけの特権というのはトヨタに寄りすぎた制度で,エコの思想からみれば違和感がある.
↓ガリバーハイブリッドカー展示即売会の来場者へ配られた金券3000円.